・1日経ったらネタバレ時効ってことで

LVII レビュー
   とても面白い試合でしたね。両チーム総力戦であり、強すぎるオフェンスはやはり止まらず得点の取り合いとなりました。決して両チームの守備が悪かったという印象はないです。それ以上にオフェンス側の準備や練度の高さが目立ちました。
   プレビューで30点以上のゲームになればKC勝利と予想しました。その通りにKCが38-35で勝利しました。PHIも勝機はありましたが、あれだけの完成度のKCを相手にするには、勝利への糸は細すぎました。


PHIの誤算、ゼロサック
   PHI守備は決して強くはないです。ただリードできる展開と、強力なパスラッシュの相性が良すぎたため結果的に失点を減らせていました。パスラッシュという強力なアイデンティティーがいくらかの問題や欠点を覆い隠していました。しかし、この試合ではパスラッシュが不発(まさかの0サック)になったことで、カバーの欠点やCBの能力などが露呈してしまいました。
   KCオフェンスにG前のモーションフェイクのアウトルートで、2つのTDを奪われました。全く同じパターンで点を取られましたが、この時PHI守備は同じカバーをしていました。マンツーマンに見える、縦割りのゾーンと分類されるものですね(名称は知りません)。このカバーは基本的に人の並びが固定のため、KCのようにモーションやシフトを多用するチーム相手に混乱しにくい特徴があります。一方で、NCBはモーションに対して動かなくてはいけないため、非常に負担がかかります。そのためモーションを見た瞬間に移動しました。しかし、KCはこのNCBの動きを逆手にとって、モーションをキャンセルすることで完全にフリーなWRを生み出すことに成功しました。別のカバーを利用すればですとか、CBが機転を効かせればなんて意見もあるかもしれませんが、それはそれで別の問題が出てくるので結果論です。強いて責めるとするならば、KCに狙われることを予想してカバーを変えることですが、そもそもこのカバーの使用頻度を考えれば無理でしょう。


JuJuの活躍が光った
   プレビューでKCオフェンスのキーマンとして、JuJuとMVSを挙げました。このうちJuJuの活躍が勝利に繋がりました。7キャッチ53ヤードなので決してスタッツとして優れていた訳ではないですが、Kelce以外に頼れるターゲットとして特に後半で目立ちましたね。CB James Bradberryとのマッチアップを制したのが大きかったです。逆にMVSはSlayにずっと消されていました。
   この試合のPatrick Mahomesはパス182ヤードでしたので、Kelceが4割、JuJuが3割といった配分でした。こう見ると貢献度の大きさが伺えるのではないでしょうか。


最後の誤審ではないし、基準のブレもない
   4Q終盤のKCの攻撃、PHIのゴール前でBradberryがホールディングの反則を取られました。このプレイに対して、「今日はずっととっていなかったのに、何であそこで取るのか?」という意見を多く目にしました。
  まず、あれは明確に反則です。あれだけジャージを引っ張ってホールディングが投げられないのはおかしな話です。なので、判断は正しかったです。その上で、試合の中の基準として一貫性があったか?という部分にフォーカスします。
  この試合では確かにコンタクトに対して甘く、見逃す場面が多かったです。昨今のオフェンス有利なルールの中でな珍しい傾向でした。審判が介入する余地を極力減らす目的もあったのでしょう。とりあえず、腕や体への多少の接触は許容されていました。
   しかし、最後のプレイは多少の接触だったでしょうか?BradberryはJuJuの腕に触れて、その次にジャージを掴み、ジャージは明らかに伸びていました。そして左手でJuJuの体に接触しています。ジャージを掴んでなければJuJuはフリーになってキャッチに向かえました。それを妨害したことは明白であり、フラッグを投げるに足る理由があります。
   この試合では確かにコンタクトは甘めに判定されていましたが、最後のプレイほど接触したプレイは他に見られていません。そのため、あのプレイにフラッグが投げられたことは妥当であり、判断基準にブレがあったと僕は思いません。正当なフラッグであり、正しい判断だと考えています。
   フラッグが出たタイミングが...と言われますが、それはあまり大事な問題ではありません。状況を考慮するあまりフラッグを投げることを躊躇する方が問題です。基準が甘いからといって、全てのコンタクトが許されることもありません。今回の審判は努めて公平な判断をしていたと考えています。


KC相手にパントを蹴るな
   KC相手にパントを蹴るのは結構な敗退行為です。あれだけ得点力が高いチームに対抗するには、こちらも常に点をとる必要があるということです。PHIは4Q残り10分あたり、自陣32ヤード地点の4th&2でパントを選択しました。結果はKadarius Toneyにビッグリターンされた訳ですが、ビッグリターンされたことはあまり問題ではありません。それよりも、4th&2をギャンブルしない方が問題です。
   よく優秀なQBを擁するチームに勝つためには、そのQBを可能な限りベンチに座らせておけ。という話があります。これは少し正しく、正確にはベンチに座らせた上でこっちは点を取れ。が必要になります。Mahomesにもこれは当てはまります。
   自陣でギャンブルはリスクが...と言われますが、KC相手にパントを蹴ってみすみす攻撃権を手放す方がリスクがあります。一方的に点差が開きますからね。KC相手にセーフリードは存在しないので、対KCに限り自陣でのショートヤードにおけるギャンブルは正当化されます。今年のPHIならあの状況でもギャンブルしてくれると思いましたが、現実はパントでした。結果的にパントを大きく返されましたが、フェアキャッチだったとしても、僕はパントを選択した判断を批判します。
   

まとめ
   勝因や敗因について書くべきなのでしょうが、この試合にそれは必要でしょうか?いくつかのたらればはありますが、比較的重いミスがPHI側に出た結果のスコアです。このレベルの試合でのミスが命取りなのは当たり前の話です。
   MahomesひいてはKCに対抗するには、得点を取り続けること、そして守備のプレミアムな選手が活躍することが必要だと考えています。前者は攻撃力に対抗するために。後者はKCのドライブを1つでも止めるために必要です。この試合でも、サックしてKCにもう1回パントを蹴らせていれば勝ったのはPHIだったでしょう。Mahomesをサックすることは容易ではありませんが、出来なければ分が悪いままです。それができるスーパースターがいるチームはPOでKCに勝てるかもしれませんね。
   これにて2022シーズンの記事は終わりになります。次は2023シーズンのFAやドラフト記事をあげて行く予定です。また、のんびりと各チームの分析記事や選手紹介も予定していますので、また読んでいただけたら幸いです。今年もありがとうございました。来年度もよろしくお願いします