・それでは後編です。OBJが怪我してから見ていきます


OBJの怪我による変化
   OBJの怪我はLARの攻撃陣に打撃を与えたことは明白でした。前半だけで50ヤード超えのWRを失っているので当たり前ではあります
   LARは試合中に、OBJの代わりにオフェンスの組み立てに寄与できる選手を探し始めました。Cooper Kuppという絶対的な軸に頼りきるのではなく、あと30分以上あるからこそ、他の可能性を探すことを選択しました
   最初の候補はVan Jefferson(#12)でした。試合時点での3番手でありました。しかし、Jeffersonは2度のロングパスのターゲットになるも、キャッチ出来ませんでした。オープンのターゲットならまだしも、競り合いでは活躍できませんでした。#18のBen Skowronekはクオリティーが足りていませんでした。#88 TE Brycen Hopkinsはいくつかキャッチしましたが、散発的なものでした
   このことから、McVayはOBJの代役は誰にも務まらないことを感じ取ったはずです。そして、試合時間が減る中で大きな決断を下します


McVayの決断、戦術Kupp
   何とかKupp以外の選手を軸にボールを進めようとしたLARでしたが、ほぼ無理なまま4Qの残り6分ほどになります。ここからMcVayは実験を諦め、Kuppにボールを集めはじめます。全8キャッチのうち4つはこのドライブですからね。更にギャンブルでのジェット、反則2つ誘引とKuppがほとんどボールを進めました
   前述の通り、戦術Kuppに頼らない方法をMcVayは探していました。なぜならば、試合を通してKuppは多くの場面でダブルチームされており、彼に投げることはINTのリスクを高める可能性があったからです。
   それでも、勝つためにはKuppにボールを集めるしかないという決断でした。勝利というリターンのために必要なことでした
   結果はTDであり、KuppはSBMVPに輝きます。トリプルクラウン(レシーブヤード、TD、キャッチ数全てでNFL1位)たる実力を発揮したのは流石でしたね。Logan WilsonのホールディングはCINにとっては不運なものでした(あれはホールディングではないです。その1つ前がホールディングでしょう。帳尻合わせではないかと考えています)。Eli AppleのDPIは明らかなので仕方ないですけどね…攻め込まれた時点で止めるのは困難でしたね


まとめ
   戦前の予想に反してゾーンランは試合を通して使われました。ボックスの人数が増えたことで後半は通用しませんでしたが、試合序盤は効果的でした。TEではなく、WRを上手く使いましたね
   McVayの準備としてはアンダーゾーンの使い方でしょう。OBJの怪我で破綻しましたけども。彼が健康ならもう少し楽な展開だったでしょうか
   それ以上にMcVayの采配で感心したのは、直前までKupp以外の可能性を探ったことです。CINが加点をすれば絶望的になる状況でしたが、守備を信じて安易に戦術Kuppに飛びつかない我慢は見事だったと考えています。
   結論としては、事前準備以上にMcVayの胆力が光った試合だったと考えています。試合トータルで考え、試合終了で勝つためにはどうするのが最善なのか、そこまで考えての決断でしょう。負けていれば後半は無策だったと批判されますが、そのリスクを背負って決断したこと、選手が遂行しきったところに、LARがSBを制覇した理由を見ました。
   SB53でMcVayは、NEに自分が用意した全てを粉々に打ち砕かれ、茫然自失としていました。あれから3年、アクシデントも悪い流れも全てに対処した今回のSBにMcVayの成長と真価を見ました。決して見どころの多い試合ではありませんでしたが、個人としては大変満足なSBでした。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。SBに関する投稿はあといくつか続きますので、合わせて読んでいただければ幸いです。