・約2ヶ月ぶりですね。どうも筆が乗らず、今年はNFLオフを満喫していました。まもなくHoFゲームということで、NFLが帰ってきます。今年は無理せずゆるっとをモットーにブログを続けたいと思います。n回目のリハビリ記事はカバーについて


ゾーンカバーとマンカバー
   日本でアメフトをする際、DBやった人は1度は聞いたことはないでしょうか?

「マンカバーより、ゾーンカバーの方が簡単だよ」

   確かに高い身体能力、反射神経、先読みといったスキルが必要なマンカバーはかなり難しく、それと比較して、リアクションが遅くても大丈夫なゾーンカバーは、初心者にとっては簡単に感じます。
しかしながら、アメフトを続けて行くうちにこうも思います。

「ゾーンカバーでもマンカバーでもWRに全然ボール取られるんやけど…」

   ゾーンカバーは簡単なのにパスカットが出来ない…→ゾーンカバーはマンカバーより劣る。こう結論づけるのは短絡的ですが、そういう考えが出てくるのは理解できます。その原因についてお話します


マンカバーに必要なもの
   マンカバーに必要なものはそう多くありません。

  1. 適切な筋力
  2. 自分の肉体をコントロールすること
  3. 相手の動きに正しくリアクションすること


この3つです
   1つ1つの難易度がSSSなのでマンカバーは難しい訳なんですけども…人間思ったよりも自分の体を自由自在に扱えません。右利きの人は左手で箸を使ったり、ボールを投げるのが苦手ですよね?
   指や足の末端部をバラバラに動かすのも苦手です。僕は小指を動かそうとすると薬指も動きます。自分の体をコントロールするって字面以上に難しいのです
   とはいえ、マンカバーもWRが走るコースが分かってしまえば非常に簡単です。終点が分かっているならば、そこで待っていれば良いのです


ゾーンカバーに必要なもの
   一方のゾーンカバーでは

  1.  正しいカバー理解
  2.  相互理解
  3.  経験則からくる判断力


の3つが必要です。マンカバーと比べると肉体よりも、精神や頭脳面が必要と言えます。これがゾーンカバーを難しくしている要因です
   ゾーンカバーは頭脳面で整理が出来ていなければ完成しません。曖昧な理解では隙が生まれ、ボールに対してアタックすることは出来ません。
   マンカバーが肉体面の要求が高いのに対して、ゾーンカバーは頭脳面での要求が高いのです。なので、フィジカルが出来ていない初心者にとってマンカバーは確かに難しいです。しかし、頭脳の整理も出来ていないのでゾーンカバーも難しいのです


ゾーンカバーにおけるカバー理解とは

「カバー2は5ヤード以内にきたやつだけ見ればいいよ」
「カバー3は奥までカバーするから大変だね」

過去にこういう教え方を聞きました。まぁ間違ってないのですが、こういう疑問が出てきます


「5ヤード以上奥に行ったらそのWR無視していいのですか?」
「目の前にWRが2人来ました。どっちをカバーすればいいですか?」

    これはケースバイケースなので難しいです。チームによっても考え方が変わってきます。

  • 自分のサイドにWRは何人いるのか?
  • 他のWRはどのようなパスルートを走っているのか?
  • ショートパスをケアしたいのか?
  • ロングパスはDPIしてでも止めたいのか?


   このような疑問を1つ1つ解消して、同時にフィールドに立つメンバーで全てを共有する必要があります。新しいパスパッケージと対峙するたびにこれは行われます。
   1つのパスパッケージに対して使われるカバーは1つではありません。そのため、覚える量は日本のサークルレベルでも50は超えます。NFLなんて日には200とか行くのではないでしょうか?それだけの時間はないから、NFLはマンカバーを多く導入しているとも言えます


アウトプット出来なければ意味が無い
   さて、大変な思いをしてMTGで時間を重ねて、パスカバーの理解を深めても、実際に使えなければ意味などないのです。
   実際のパスプレーで判断に使える時間は2秒程度です。バックペダル2~3歩でパスコースをある程度判断する必要があります(とりあえず5ヤードのショートパスか、それ以外の判断がつけばよいので)。
   これを判断するのは経験則です。実際にフィールドに立った経験、練習でのDB vs WR、フィルムを見ることで吸収した知識。これらをすぐさまアウトプットする必要があります。
迷いなく、正確に。これがかなり難しいです。パスプレイでは、1歩余計に踏んだことでTDになった。なんてプレイは枚挙に暇がないです

マンカバーのように見る対象が1つならば判断するのは相手の行く先だけです。

しかし、ゾーンカバーでは人とパスコース両方の判断を求められます。時には両者を視界に入れながら、自分と仲間との位置関係、QBやヤードマーカーから自分の位置を把握し、自分とWRの位置関係を正しくキープする。これらのマルチタスクを瞬間的な思考の元にこなすのは頭脳的な整理と経験がかなり重要なのです




まとめ
   マンカバーとゾーンカバーの難しさの違いは理解していただけたでしょうか?分かりやすいフィジカルの問題からマンカバーは難しいと言われます。これは事実です
   しかし、ゾーンカバーでは頭脳的な負担からマンカバーとは別のベクトルで難しいです。それでも身体能力が高くないならば、頭の整理をしてゾーンカバーで戦うのが賢かったりします。脳みそまで筋肉にするなら、筋肉で思考できるようになりましょう
   本当はゾーンカバーの半分はマンカバーみたいな話をしようと考えていました。見事に脱線してますね…この話はまた別の機会に