・昨年まではランキング形式でお送りしていましたが、今年は数人をピックアップしてのご紹介です。順位づけが難しかったです…
最初はQBです。


Carson Wentz (PHI Eagles)
   2年目の昨季は開幕から好調で、TDを倍増してINTを半減させる活躍でした。ACL断裂でシーズンエンドしなければMVPもあり得たでしょう。自身は出場できませんでしたが、チームはチャンピオンとしてシーズンに臨みます。
   1年目からカバーを読む力はかなり評価されていましたが、昨年はそれが向上。強固なパスプロの助けと機動力で時間を稼ぎながらビッグプレイを多く演出しました。ハイライトプレイが多い選手ですね
   派手な選手ですが、実はパス成功率は先発QBとしては低いです (60.2%)。またACL断裂はスクランブルの際に痛めたもので、機動力に支障が出るか大きなファクターになりそうです。コーチが制限するかも同様です。
   少しでも調子が悪ければ控えのNick Foles待望論が出てくるでしょう。チャンピオンだけれども、自身はサイドラインでした。そのことも合わせればプレッシャーのかかる難しいシーズンになりそうです。真価が問われるでしょう


Jared Goff(LA Rams)
   1年目はチームの状態が悪かったこともあり、失格の烙印を押されました。しかし、Sean McVayがHCに就任し、Goffに寄り添うオフェンスになったことでブレイク。チームの14年ぶりの地区優勝に貢献しました。
   Goffはショートパスが上手いQBで、多くのWRに投げ分けます。その判断力の良さ、リリーススピードは光るものがあります。昨年のPOでは、ランによるサポートが弱かったものの素晴らしいタッチのパスを披露し、更なる成長を予感させました。
   彼もWentz同様にパス成功率が低いです。特にロングパスが苦手で、ここが使えるようになるとプレイの幅が広がります。今年はWR BrandinCooksを獲得し、奥のターゲットを獲得しました。
   McVayはかなりGoffに寄せたオフェンスを展開しました。しかし、守備の強いチーム相手ですと抑え込まれる試合がありました。そのため、今年は長短のパスを織り交ぜてより的を絞りにくいオフェンスを展開したいです。Goffのオフでの成長に注目です。


Patrick Mahomes Ⅱ (KC Chiefs)
   昨年1巡10位でKCに指名されたのは驚きをもって迎えられた。そしてオフシーズンには先発だったAlex Smithを放出、Mahomesが満を持して登場する。
   Mahomesの魅力はNFLトップクラスの強肩です。70ヤードを軽く投げるキャノンアームは、WR Tyreek Hillの怖さをより活かすことになるでしょう。KCはMahomesの大学時代のシステムに似ており、Hill、Travis Kelce、Sammy Watkins、Kareem Huntという強力なサポートを得ました。
   Mahomesの課題はパス精度の低さです。どんなに優れたWRがいても、どれだけ優れたツールを持とうとも、それを有効に使えなければ意味がないです。キャンプでも苦戦しているとの情報が出ており、あと1ヶ月と少しでどこまで高くなるのか注目です。
   5年連続でPO出場チームがQBを交代しました。Smithはまだ出来ただけに、不本意な結果に終われば大きな批判を浴びるでしょう。大きなプレッシャーにどう対処していくのかも見ていきたいです。因みにですが、父親は元横浜のPatrick Mahomesです。


Kirk Cousins(MIN Vikings)
   3年84M全額保証。オフにCousinsとMINが結んだ契約だ。年28Mという額もさることながら、強気な全額保証は今後のQBの値段にも影響するでしょう。
   2年連続のフランチャイズタグからMINへ移籍。確執のあったWASも離れることができ、新たなスタートを切ります。MINは怪我しない安定したQBを求めていて、それがCousinsとの契約に繋がりました。Diggs、Thielen、Rudolphとターゲットに恵まれています。
   MINはSBの有力候補の1つに間違いはありませんが、CousinsはPO経験は僅か1試合で未勝利です。そこで平素のパフォーマンスを出せるハートの強さがあるか注目していきたいです。
   SB狙うためにチーム力の高まっているMIN。昨年は王者PHIに負けて、その夢は叶いませんでした。激戦のNFCを勝ち抜くラストピースがCousinsで正解なのか?答え合わせのシーズンになるだろう


Andrew Luck (IND Colts)
   ポストマニブレと呼ばれたLuckも今年で6年目を迎えます。15シーズンに負った怪我から復帰できず、昨年はシーズンを棒に振りました。このスターが復活すればNFLは更に面白くなるでしょう。
   カレッジ時代から全体1位当確と言われており、Peyton Manningの後継者という難しい立場でプロになりました。1年目11勝でチームをPOに導けば、そこからINDはPO常連にしました。特筆すべきは4Qの強さで、「スーパーラックタイム」や「INDの試合は後半からが本番」とまで言われていました。
   全てが狂ったのは怪我です。15シーズンにスクランブルで痛めてから本調子とは程遠いです。昨年はオフにした肩の手術の経過が悪く、結果的に全休となりました。今年もまだどの段階で出てくるの不透明な状況です。
   Luckが復活したならINDは2桁勝てるでしょう。1NFLファンとしてもLuckのようなスーパースターが年長QBたちに引導を渡すのを見たいです。


まとめ
   初回はQB編でした。大ベテランたちを除いて、若い選手を中心に紹介しました。QBはそう簡単に顔ぶれが変わらないので、紹介する選手が難しいです。
   ここ数年で全ての球団にフランチャイズQBまたは候補が揃いました。これからはどんどんパサーの基準が上がるかもしれません。それと同時にベテランQBに引退の時が迫っています。この先5年ほどは世代交代の波が一気に来るかもしれませんね