・すごい試合であった。いくつかの場面をピックアップしての感想を
2Q残り4秒、プレイの選択は正しかったのか
2Q残り時間わずか、タイムアウトなしの状況でTyreek HillがDPIをもらいます(アンキャッチャブルなパスなのでDPIはない。あれはホールディング)。それで残り1ヤードになったところでプレイでTDを狙うことを選択しました。常識的に考えればここはFGで終わらせるところですね。果たしてこの判断は正しかったのか2つの視点から検討します。
1、得点差的にTD狙いは支持されるのか
2、選択したプレイはどうであったか
- 得点差的にTD狙いは支持されるのか
- 選択したプレイを検討する
選択したプレイはランフェイクのHillへのフラットでした。普段の試合ならばオープンで受け取ったHillが押し切ってTDになりますが、今日のCIN守備はリアクション型の守備であり、RACを抑えることに重点を置いていました。その相手にRACが出ることを前提としたプレイ選択はどうだったのでしょうか
- 個人見解
プレイの選択に否定はしません。しかし、プレイ選択は悪かったです。キャッチorインコンプリートになるような1on1狙いで1秒残せるよね?というプレイ選択をするべきだったと思います。Kelce外に置いてスラントとか。そのようなプレイならば3秒で時計は止めれるでしょう。
TDとる以外ない!という選択肢に絞ってしまったのは早計だったのではないでしょうか。FGが安全な選択だっただけに、これは責められるでしょう
攻勢を強めたCIN守備と、大胆な解決策
前半21失点、後半3失点。CIN守備な劇的な改善によってKCの攻撃をスローダウンさせました。そのポイントは2つあると見ています
ポイント1、4メン→3+1へパスラッシュを変更
KC、というかPatrick Mahomes対策において重要なのはスクランブル対策である。これは当ブログで何度も触れてきたポイントでした。今までの解決策は4メンラッシュをしながらDLが頑張るというものでした。しかし、パスラッシュをしながらセカンド・コンテイン(スクランブルするQBを追いかける役割)を両立するのは、非常に厳しかったです。
そこで今回CINが編み出したのが3+1という変則的なパスラッシュでした。パスラッシュが多少弱くなっても、カバーが空かなければMahomesはパスを通せないよね?それよりもスクランブルで掻き乱されるのが嫌だ。そういう考えから行われた戦術です。これにより、Mahomesのランという選択肢が消えたCIN守備は劇的な改善を見せました。
ポイント2、徹底的に研究されたパスカバー
対KCではお馴染みの2ハイ(Safety2人が奥に残るカバー)でしたが、基本はTBが昨年採用したものですね。KCが多用するアクロスルートをどうカバーするか?その答えを見ました
CINは少し離れてセットをし、レシーバーの行先に対してアタックをかけることを選択しました。しかし、前半この方法で21失点と劣勢を強いられることになります。
そこで後半に選択したのが、リリースポイントから捕まえにいくアグレッシブな戦術でした。リリースポイントというのはカバーに置いて最も難しい部分であり、フェイクなどで置いていかれ、フリーな選手が生まれる原因でもあります。しかし、そのリスクを犯してもCINは失点が減る可能性を選択しました。
結果
21→3と劇的に失点を減らせました。このカバーがあったからこそ、3+1というパスラッシュの選択が出来たのでしょう。粘り強く、ミスなく遂行したCIN守備はかなり強いですね。
KC時間をコントロールしようとして中途半端に
4Q24-21で負けている終盤、KCはTravis Kelceにボールを集めて前進します。そして1st&goalまでシチュエーションを進めました。しかし、ここからのプレイ選択、プレイ結果は微妙でした
残り2分、CINはタイムアウト2つという状況でKCはボールコントロールしてTD取ることを念頭にプレイをしました。CINにタイムアウトを使ってもらい、更にTDとって〆という構想ですね。そしてCINにタイムアウトを使わせることに成功します(このタイムアウトのタイミングはCIN側のミスだと思っています。機会があれば話します)。しかし、そこから連続サックで後ろに下げられ44ヤードのFG、そのままOT突入となりました。
連続サックされたプレイでKCは単純なパスプレイを選択しています。今日のCINの守り方からすれば最もやりやすいプレイでしたね。RSで見せていた創意工夫に溢れた初見殺しのプレイたちはどこにいったのでしょうか。
なぜKCはBurrowを1回しかサック出来なかったのか