K猫のDENファン日記

NFLデンバーブロンコスのファンブログです! その他にもドラフトやFA、プレイ解説も行っています!

Category:レギュラーシーズン > NFL2017


・Rough Week5。各地で主力のシーズンエンドが出てきています。今年は特に怪我人が多い印象です。しっかり治してまたグラウンドに戻ってきて欲しいです

・KCが無傷の5連勝。13年の9連勝以来ですかね?あの時止めたのはDENでした。今回も止めたいものです


1、04年QB
   2004年ドラフトと言えば、全体1位指名されたEli ManningがSDに行くことを拒否。NYGにトレードされるという大事件があった年です。その後、お互いにフランチャイズQBとして成功しましたが、Eliは2度のSB優勝。Riversは0と明暗はくっきりと分かれました。
   この年は全体11位で指名されたBen Roethlisbergerもおり、3人のQBが成功した珍しい年となりました。(有名なところですと、John Elway、Dan Marino、Jim Kellyが指名された1983年ドラフトがあります)


2、04年QBの苦戦
   そんな彼らも35歳を超えてそろそろ引退が見えてきました。それに伴って、チームも彼らの燃料があるうちにSBを勝つために積極的な補強を行っています。
   怪我人の多いLACはなかなか結果が伴わないものの、NYG、PITは昨年POに出場。下馬評も高く、今年は更なる飛躍が予想されていました。
   しかし、蓋を開けてみればPITは3-2(負けたのはCHIとJAX )、LACが1-4、NYGに至ってはいまだ未勝利です。接戦まで持っていく力はあるものの、最後で勝てない。チームとしての歯車がずれている。そんな印象のシーズンを送っています。


3、原因はどこにあるのか
   大きな原因は2つあります。ラン守備とラン攻撃です。この2つをスタッツを参考にしながら見ていきましょう
   
ラン守備
LAC 161.2ヤード(32位)
PIT  136.6ヤード (28位)
NYG 139.0ヤード(29位)
   ランは平均でこれだけ走られています (PITに関してはJAXとCHIの2チームに合計400ヤード近く走られているので、特殊な例になります)。
   これによって、相手に時間を使われ、守備が疲弊して失点をするという場面が見られます。これによって、守備は後半に踏ん張りが利かず逆転を許す悪循環に陥るのです。

ラン攻撃 
LAC  78.8ヤード(29位)
PIT  90.0ヤード(24位)
NYG  77.8ヤード(30位)
   数字を見ればわかる通り、ラン攻撃はリーグの下位グループに属しています。特にPITはLe'Veon Bellという素晴らしいRBがいながらこの数字です。対策をされているのもありますが、それでも物足りない数字です。
   ランが出ないことで、必然的にパスの比重が高くなり、QBへの負担が増えています。


4、パスが増えることの弊害
   5年前までなら、彼らの肉体はまだフレッシュで、ランが出なくともパスで打開できるだけの力がありました。しかし、35歳を超えて寄る年波には勝てなくなってきたのです。つまり、肉体の衰えによるパフォーマンスの低下。これが露わになってきました。
   Peyton ManningもBrett Favreそうでしたが、晩年になるとQBはパフォーマンスの衰えが目に見えるようになります(もちろんTom Bradyだって例外ではありません)。
   衰えによって、パスの精度や球速の低下、イメージと現実のズレによるパス失敗やINTが増えます。そして、04年QB達にはすでにその症状が出始めています。
   能力が低下したのに、オフェンスによる負担が減らず、パスを多投したら?もちろんミスが多くなり、ターンオーバーが増えてしまいます。それが悪循環の一端を担うのです。


今後の展望
   ファンの方には申し訳ないですが、シーズン中にラン攻撃が劇的に改善することはありません。勝つためには守備の奮起が必要になります。具体的にはランを止めることが重要です。
   衰えたとはいえ、百戦錬磨のQBたちですから、時間の潰し方、欲しい時にTDを取る術は知っています。後は守備が失点をしないことが勝利への鍵になるでしょう。


まとめ
   アメフトは「ランを止めて、ランを出す」これが基本になります。これに失敗すると苦戦してしまいます。それがSB制覇のために補強を行ったこの3チームに現れただけです。他のチームもそうなる可能性は充分にありえました。
   シーズン残りの2/3、守備陣が奮起して立て直してくるのか?注目です。


追記
   PITは喪失ヤードに反比例して失点が少ないチームなのでこれまで3勝しています。負けた試合はランを出された試合なので、PIT戦の勝敗もランに依存してると言えます。
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・OAK戦を改めて見返しました。ライブでは気づきませんでしたが、点差以上に余裕がありました。守備のお陰ですね。byeでRZでの決定力、OLのパスプロ、反則この3つを改善して欲しいです。

・今日は4試合で期待よりも良かった選手、悪かった選手を紹介します。


期待以上の選手

Trevor Siemian
   何度も書いていますが、昨年よりカバーが読めるようになりプレイの幅が広がりました。プレッシャーがかかった時のプレイが課題ですね

Demaryius Thomas
   今年は開幕から好調でほとんど落球もないです。まだスクリーンプレイ見せていないので、後半も楽しみです。

Garett Bolles
   新人ながらLTとして奮闘。Siemianの負担軽減をしています。TDを取った後に真っ先に駆け寄るなど高感度も高いです

Domata Peko
   4試合で203ヤード喪失のラン守備の要。このベテラン獲得はオフ最大の功績

Aqib Talib
   ついに「島」を形成するほどのCBへ。攻撃側から見て右サイドにセットするのですが、QBが視線を向けることすら稀です。素晴らしい

Bradley Roby
   ここまでプロボウル級の活躍。タイトなカバーと正確なタックルで貢献しています。


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・今週はNo Fly Zoneと呼ばれるDENのパス守備を手玉に取ったBUFの攻撃を見ることにします。


BUFの攻撃とは
   BUFはLeSean McCoyのランを主軸としたWCO(ウエストコーストオフェンス)と呼ばれるオフェンスです。このオフェンスは、フィールドを横にストレッチをしながら短いパスを繋いでいきます。その特性上ターンオーバーが少ないです。
   WCOは80年代のSFが使い始めたことから、SFの位置するウエストコースト(西海岸)の名前がついています。


マンツーマンを破壊するクロスルート

   このプレイでは、赤い線のようにWRがパスコースを取り、奥から2番目の選手(No.2とします)にパスを投げ、ロングゲインとなりました。マッチアップはマンカバーに定評のあるChris Harrisです。

   赤丸の選手に注目してください。この選手はTEのポジションからflatルート(サイドラインへ向かって浅い角度で走るルート)を取りました。その内側をNo.2の選手が走ります。

   このTEの選手がブラインドとなり、HarrisはNo.2WRを放してしまいました。その結果、マンカバーを敷いていたDENはフォローする選手がおらず、ロングゲインに繋がりました。


縦の関係を築くチョイスパス
   チョイスパスとはカバーのつき方でQBが投げわけるパスのことを指します。WCOではPA (プレイアクションの意。ランを囮にしたパス)でのチョイスパスが重要となっています。

   赤線がWRのコース、黄色がQBの動き、青線が囮にするランの向きです。

   ほぼ同じ距離に3人が並んでいるのがわかると思います。これを俗に縦の関係といい、守備のカバーを見て誰に投げるのかを判断します。この場合は奥の選手がカバーより先行していますので、リードボールを投げれば通るというわけです。


敵を欺くTEディレイ
   ディレイ レシーバー(遅れてパスコースに出てくること)といえばRBがその役割を担うことで有名ですね。逆にRB以外の選手はディレイで出るメリットは少ないです。そのためゴール前などの、守備が前がかりになりやすい状況ほど効果的になります。

   これはTDを取ったプレイですが、11人全員を集結させて、絶対にラン!というように思わせています。ブロンコス側もそれを理解していますから、FSが後ろに下がっていますね。
   今回も赤線がレシーバーのコース、青線が囮にするランの方向です。

   ブロンコスの選手の動きを見て貰えばわかると思いますが、彼らは冷静にパスへの対処をしています。レシーバーも3人ですから充分に対応できるだけの人数がいます。
  ここで、赤丸の選手に注目してください。そう、今回のキーマンです。彼はブロックをしていますよね?

   写真のように、なぜかフリーになっています。これが今回のネタであるTEディレイです。
   直前までブロックに参加していたことにより、守備側の意識からレシーバーではなく、ブロッカーとして認識されていたのです。それによって、本来なら彼をマークする選手は他の選手のカバーに行ってしまいました。 
   これは相当に上手いフェイクですね。やられたチームは意味がわからないと思います。素晴らしいプレイでした
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