・お待たせしました。日曜日2試合のレビューになります。実力差って残酷だよね…

・Antonio BrownがDENなんじゃね?みたいな記事出てますが、あくまで予想なので。サラリーキャップ40Mしか残ってないので取れないです…

・残った4チーム、レギュラーシーズンの平均得点トップ4ですって。勝ち切るだけの守備力は滅多に出ないからこそ価値があるんでしょうね。手っ取り早く強くなりたいならオフェンス強化
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IND@KC プレビューIMG_0194

   INDをホームに迎えたKCが全てにおいて圧倒した試合でした。パス失敗が続き波に乗れないINDを尻目に、KCは17点を連取します。パントブロックからTDをされたものの、TDを取られた次のドライブで確実に点を取るなど付け入る隙を与えず完勝しました。


勝敗のポイント
①Luckの不調と落球
②Leonardを混乱させる
③戦術兵器Hill & Kelce
④OL
⑤反則

①Luckの不調と落球
   最初の3rd&3を落としたEric Ebronから始まり、なかなか波に乗れませんでした。その次のシリーズからLuckのパスはへろへろでした。何があった?
   Ebronは期待を大きく裏切るどころか足を引っ張りました。TYもカバーが厚くて前半は空かなかったです。Dontrelle Inmanが少し目立ちましたが、その程度でした。
   成功率50%程度じゃ機能しませんね…
②Leonardを混乱させる
   RPOで狙われました。まぁOLBなので当たり前なんですけども。それ以外にも裏や横のゾーンを狙われていました。Kelceで攻撃するあたりが嫌らしいですね
   スラント系のRPOは裏のOLBがランに食いつくかで基本チョイスされます。序盤ならそこまでランに食いつく必要なかったと思うんですけどね…
③戦術兵器Hill & Kelce
   KC有利の原因はこの2人でもあります。INDのDBで対抗できるのいないんじゃないかと思ってました。その通りになったわけですが
   HillはRPOでゾーンカバー壊せますし、Kelceは元からゾーンを狙うのが上手いTEです。INDはパスカバーの下がり方に工夫が足りなかったと思います。マンカバーにしても止まるとは言ってないけども…
④OL
   INDのOLも押せていてランは充分に狙えたと思います。RGとRTは狙われていて、そこからターンオーバーだったりロスタックルに繋がった部分はありましたけども
   一方のKCはINDのDLのクオリティー不足、LBのリードミスなどもあってラン出ていました。押し込んでる訳ではないですけど、上手くタックルされないブロックが出来ていました。
⑤反則
   INDさんハードカウント引っかかりすぎ…自分たちで首絞めるのよくない


まとめ
   撃ち合いに持ち込めなかった時点でINDの負けは見えていました。1Qで決まるとは思っていませんでしたし、Luckのパフォーマンスが低調なのは残念です
   KC守備は言われるほど良くないというか、INDの自滅もあって何割増しかで良く見えただけだと思いますよ。いつもと変わってたとは思いません。でも前半のパスカバーは素晴らしかった

DAL@LAR プレビュー
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   地上戦で圧倒したLARがDALを終始圧倒して終わりました。獲得ヤードを見ればわかる通りです。点差以上に一方的な試合でした。今回はその原因を解説します。


LARはどうやってDALのラン守備を崩壊させたのか
   DALは速いDLがLoS(Line of Scrimmage)を割ることでOLに勝ち、フリーになったLBがタックルを決める。これをコンセプトに守備を組みました。裏を返せば、DLが押されてLBがブロックされるとランが止まりません。
   そう単純ではないですが、McVayによるDAL対策を見ていきます。


①インサイドOLが圧倒する
   DALのプランを1番破壊した原因はこれでしょう。ラン守備はDTが押されないことが前提条件であり、特にDTが2枚だけの4-3ならここで負けないことが大前提にあります。それが崩れた時点でDALにとって厳しい展開は予想されました
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この写真のように押し込まれる場面が多すぎました。これの弊害として押されるDTのせいでLBがボールキャリアーを見にくい、またはブロッカーに捕まってタックルに行くまで遅くなる場面が多くなります。

②DEがコンテインしないから人が足りない問題
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   まず、この2枚の画像を見てください。プレイサイドのDEが縦に割りすぎているためプレイに全く絡めてないのがわかるでしょうか?
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   矢印を記入するともっとわかりやすくなるでしょうか?DEが消えたことで、これだけ走るスペースが空いてしまいました。必然的にCB#24はオープンスペースでRBとの1vs1になります。体重差を考えても絶望的なマッチアップですね。
   4-3はコンテインを強く見れる意味もあるので、こうプレイに関与できないと後ろに迷惑がかかってしまいます。

   このコンテイン放棄の弊害がこの2プレイになります。IMG_0184
   これは両DEが縦に割った結果、すれ違いが起きています。左右のオープンスペースが空いてるとLBはRBが行く方を見てからしか動けません。これだけスペースあればロングゲインされるわけです
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   こちらはGurleyのTDのシーンですが、WR#83がDEをキックアウト(浮かせたDEを外側に弾くブロック)するプレイです。キックアウトは縦に割るDLに対して有効なので、それを逆手に取られたプレイになります。
   このプレイはDTをWhitworthが外に弾き飛ばしたため、中が大きく空き、更にセカンドブロックでLBをピックしたことでTDになりました。Whitworthがただただ凄いのですが、DEの動きはMcVayに利用されていたことがわかります。

③LBの出足を止めるモーション
   これは画像で説明が出来ないのですが、LARがプレスナップで体型を変える(シフトムーブと言います)とDALのLB陣はセットポジションを変えます。前半は左右交換などかなり大きく動いていました。後半はDBの上げ下げで対応していましたが、大きな効果は出なかったですね。
   シフトムーブだけでなく、McVayはジェットモーションも有効に使いました。DALはジェットモーションが来るとILBがジェット方向に少し動きます。参考画像↓IMG_0192
   これによって8メンボックスを7メンにされ、ILBのリアクションが鈍くなります。それが原因でブロッカーに絡まれることが見られました。
   この試合、LARがジェットモーションした方向と逆側のランプレイとっても多いです。再度試合を見る方はチェックしてみてください


まとめ
   ジェットモーション、シフト、キックアウトは普通のプレイです。しかし、それらの動きを様々な体型と組み合わせることでDALを攻略したのは恐ろしいですね。強いOLがあったとはいえ、それだけで止められないからDALは強かったわけですし
   準備勝ちと言えばそれまでですが、McVayは単純な動きを組み合わせるだけで相手に考えることを強要しました。普段なら反応で動けるLBが、頭を使いながらプレイさせられたことで遅れる。その1歩、2歩が1ヤード、2ヤードの差を生みました。試合中に頭を使うのはとっても疲れることで、それがボディーブローのように効いたでしょうね。恐ろしいほどの天才です