・今回から数回に渡ってElwayが就任してからの各ポジションの変遷を見ていきたいと思います。何が見えるかはまだわかりませんが、回顧録や備忘録になれば幸いです


2011年シーズン
   Elway就任初年度、マクダニによるチーム崩壊からの立て直しが求められました。先発はJay Cutlerのトレードで獲得したKyle Ortonが務めました。  

Kyle Orton
5試合(5先発)、91/155(58.7%)、979ヤード8TD7INT、2ファンブル(2L)

   基本バックアップQBのOrtonを先発にしたのが間違いで、ブロンコスは開幕5試合で1-4と大きく負け越します。さすがに耐えれない首脳陣は2010年ドラフトで1巡指名されたTim Tebowを先発にしました。

Tim Tebow
14試合(11先発)、126/271(46.5%)、1729ヤード12TD6INT、ラン122回660ヤード6TD、13ファンブル(6ロスト)

   これで7-4になるという奇跡。だからミラクルと呼ばれる訳ですよね。守備が好調だったこと、OAKとKCが暗黒期だったこと、前年の成績が悪かったことで相手に恵まれたことも味方をしました。プレイオフではPIT相手に劇的なOT逆転をしました。


2012年シーズン
   この年FAでPeyton Manningを獲得しました。それに伴いTebowをNYJに放出しました。これにはファンからの反発もありましたが、Tbeowの成績はQBとしては失格であり、より安定した選手の獲得が望まれていたのも事実です。

Peyton Manning
16試合(16先発)、400/583(68.6%)、4659ヤード37TD11INT、2ファンブル(2ロスト)

   この年は2-3から11連勝して地区優勝、第1シード獲得とブロンコスは久々にNFLでもトップレベルのチームになりました。前年から5勝を積み上げたのはPeytonの功績でありました。しかし、プレイオフではBALに2OTの末、敗北しました


2013年シーズン
   2年目を迎えたPeytonは開幕から7TDを投げるなど歴史的な活躍をし、チームを牽引。13-3でトップシードをまたもや獲得しました。

Peyton Manning
16試合(16先発)、450/659(68.3%)、5477ヤード55TD10INT、10ファンブル(6ロスト)

   このシーズンのPeytonは歴代最強のQBでした。獲得ヤード、TD数はともに歴代最高であり、オフェンスの多くの部門を更新しました。それでもSB48では43-8という歴史的な大敗を喫しました。守備の重要性を痛感したElwayは守備の補強に走りますが、それはまた別の話


2014年シーズン
   前年のAFCチャンプとしてSB優勝がマストとして臨んだシーズンでした。多くのロスター入れ替えがあり、主力レシーバーもFAで去りました。それでもPeytonはリーグトップ級の活躍を見せました

Peyton Manning
16試合(16先発)、395/597(66.2%)、4727ヤード39TD15INT、5ファンブル(2ロスト)

   この年はPO初戦となったディビジョナルラウンドで敗退しました。この試合ではロングパスが悉く失敗するなど、移籍してからの3年間では考えられないミスがいくつも見られました。


2015年シーズン
   John Fox HCを解雇し、OC Adam Gase、DC Jack Del Rioもチームを離れるなど、スタッフを大きく刷新して臨みました。オフェンススタイルもPeytonに依存したパス主体から、Kubiakによるラン主体に変更されました。

Peyton Manning
10試合(9先発)、198/331(59.8%)、2249ヤード9TD17INT、1ファンブル(0ロスト)

Brock Osweiler
8試合(7先発)、170/275(61.8%)、1967ヤード10TD6INT、4ファンブル(1ロスト)

   スタッツからも分かる通り、Peytonは年齢的な衰えから前3年の面影もない落ちぶれたQBとなってしまいました。シーズン途中には足底筋膜炎によって欠場も経験しました。カレッジ時代以来の控えQBの立場にもなりました。
   Peyton欠場時に穴を埋めたのがOsです。フル出場した6試合を4-2(NE戦の勝利含む)と素晴らしい成績を収めました。
   最終的にWeek17のLAC戦でPeytonがリリーフからチームを勝利に導き、POの第1シードを獲得。AFC決勝のNE戦でシーズン最高のパフォーマンスを見せてSBに出場し、SB制覇でそのキャリアに幕を引きました


2016年シーズン
   Peytonが引退、Osは72MのメカディールでHOUへ移籍しました。チームはMark Sanchezをトレードで獲得、ドラフトでは1巡でPaxton Lynchを獲得しました。

Trevor Siemian
14試合(14先発)、289/486(59.5%)、3401ヤード18TD10INT、4ファンブル(2ロスト)

Paxton Lynch
3試合(2先発)、49/83(59%)、497ヤード2TD1INT、2ファンブル(0ロスト)

   結局開幕前にSanchezはカットされ、過去にドラ7指名されたSiemianが先発となりました。途中怪我はあったものの先発としては及第点の成績を残したが、チームは9-6で久しぶりにPO進出を逃しました


2017年シーズン
   HC Gary Kubiakが健康上の理由で引退。新たにVance Josephを迎えました。OCにはMike McCoyを招きましたが、これが元凶になりました。

Trevor Siemian
11試合(10先発)、206/349(59%)、2285ヤード12TD14INT、5ファンブル(2ロスト)

Brock Osweiler
6試合(4先発)、96/172(55.8%)、1088ヤード5TD5INT、2ファンブル(1ロスト)

Paxton Lynch
2試合(2先発)、30/45(66.7%)、295ヤード2TD3INT、2ファンブル(1ロスト)

   開幕から2試合は好調だったものの、ランを止められて対策をされてからはボロボロでした。QBはすぐに交代され定まらず、オフェンスはアイデンティティーを失ってOC交代。いたずらにターンオーバーをしても守備を疲弊さへ5-11という記録になりました。


2018年シーズン
  FAでCase Keenumを獲得。早々と先発QBを指名したことで、チームもやりやすくなりました。2年前のドラ1Lynchはハートの弱さ、怪我の多さから開幕前に解雇されました。現在6-7ですので、あと3試合の結果次第では勝ち越しはあります


まとめ
    Peyton Manningという歴史的な偉業を成し遂げたことにElwayの最大の功績があります。しかし、ポストManningを見据えた後継者の用意という意味では計算が甘く、それは今なおブロンコスが直面している大きな問題となっています。特にOsweiler、Lynchと上位指名権を行使した選手が不発だったのは今日における低迷の一端でしょう
   Peytonに依存しては勝てなかったですが、守備で勝つにはピークが短かったです。その後のSiemianやKeenumを見るに、パスでゲームを作れるQBが必要なのは明らかです。ブロンコスはドラフトでそれに値する選手を指名することが求められます