・今回見るのはオフェンス側です。CLEのオフの動きは一貫してQBへ優しいオフェンスになっています。


1、ドラフト前の動き
   大きかったのはWR Jarvis Landryの獲得ですね。年間100キャッチを計算できるスロットWRはQBにとってかなり心強い存在です。Josh GordonもCorey Colemanも計算がつきにくいだけに、彼の獲得は大きかったです。


2、1位Mayfield
   これにはいくつかの意味があると思います。まずMayfieldをフランチャイズQBとして指名した。彼を中心に再建を歩むという決意表明が見てとれます。CLEはここ最近、2つ目の指名権での1巡QBで外してきました。これだけでも、彼らが本気でMayfieldへ期待しているのがわかります。Mayfieldは強烈なリーダーシップの持ち主であり、負けん気が強く、逆境から這い上がってきました。そのハングリー精神がCLEの文化を変えるのに期待されているとも思います。
   他にはRBのバリューがそこまで高くない。ということです。Barkleyはスペシャルな選手ですが、絶対に必要な選手ではなかったということです。これはRBをローテーションすることも前提にあると思いますし、後述する理由にも繋がります。


3、2巡RB Nick Chubb
   今回は守備の方は割愛します。CLEはエースと呼べるほど強力なCBがいなかったので、ChubbではなくWardは良い選択だったと思います。彼は守備新人も狙えると思います
   Chubbは今年のRBで最も中ランに秀でた選手です。この分野に限れば、Barkleyよりも上でしょう。その代わり、外ランは平均的であり、レシーバーとしても計算できないので、順位を落としています。
   CLEのRBはスロットWRも兼任するDuke Johnson、耐久力に不安はあるものの3rdダウンをこなせるCalros Hydeがいます。ここに中ランに特化して耐久力のあるChubbを加えることで、補完性の高いロースターとなり、フレキシブルなローテーションを組むことが出来ます。
   つまりBarkleyのような万能型のエースでなくても、CLE (というかTodd Haley)は問題ないと考えていたということです。


4、MayfieldとChubbの親和性
   実はMayfieldとChubbは凄く親和性のあるタイプです。カレッジでのオフェンススタイルを見てみます。
   Mayfieldはエアレイド系統出身で、パスが7割を占めるようなオフェンスでした。 (実際は4割ほどで、ランヘビーでした。パススタイルの系統はエアレイドに近いですが、別のオフェンスです)。その際ランはパスを生かすために中のプレイがほとんどでした。Jr時代はSamaje Perine、Srの時はRodney Andersonと中ランに強いパワーバックとプレイしてきました。
   そしてChubbは中ランに限れば今年でも1番の選手です。さらに、ショットガンからのスナップにも慣れています。Mayfieldがカレッジで共にプレイしてきたRBと同系統アップグレードした選手。それがChubbです。


5、まとめ
   Barkleyは取らなかったものの、CLEはMayfieldと相性の良いRBを獲得しています。すぐには出てこないと思いますが、出てきても彼に合わせたオフェンスをやることが出来るでしょう。 (少なくともそのための駒は揃っています)
   今年のCLEは固い (より安全な)ピックが多かったです。QBを指名しなくてはいけない状況でもあり、その中でベストに近い選択を取ったと思います。
   因みにですが、Barkleyの最大の長所は爆発力であり、彼はスペースを与えることでアンストッパブルになります。そのため、中ランですと持ち味が死にやすくなり、最悪は平凡なRBで終わる可能性もあります。Mayfieldにオフェンスを合わせるならChubbの方がよりベターだったという訳です。


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