永遠の大穴〜longtime longshot〜

   NFLドラフトのトレバー・シーミアンのページには何も情報がない。


   トップの写真は人の良さそうな顔で、その横に身長と体重があるだけ。エルウェイからのコメントは" バックアップQBとして競争できる人材を発見した。"

それだけだ。


   その時、ノースウエスタン大学出身の彼はACL (膝前十字靭帯)断裂によってまだ杖をついていた。シーミアンの将来は閉ざされたままだった。彼は試合からの移動中にずっと考えていた。どうやって NFLのチームに入るかを考えていた。


しかし、ブロンコスのHCゲイリー・キュービアックは何かを見ていた。


   元ブロンコスのQBジェイク・プラマーは、

「キューブ (キュービアックの愛称)はシーミアンの1 年目のキャンプで、私に彼を指摘してきたんだ。"あそこの彼をちらっと見てごらん。僕たちが 7巡で指名したんだ。 "

「キュービアックはタレントを見つける目が良いんだ。全てが少し良いQBを見つけ出すんだ。そしてそれが彼の最も高い能力なんだ。」


   大きな怪我によって多くのチームが諦めた結果、幸運にもデンバーは彼を獲得することが出来た。そこで、彼はザック・ダイザートに2015 年のプレシーズンで打ち勝ち、スーパーボウルへ進むマニングから学んだ。


   シーミアンは言った「僕は幸運だ。」

「僕はマニングから、どうやって1週間、そして日々を過ごすのか。どうやって試合のテープを見て過ごすのか。何を見るかを、どんな傾向を見るか、そういった知識を得ることが出来る。あなたが大学にいる時、あなたは何をするかわかっていると思っている。しかし、本当はそんなことはなかったんだ。」


シーミアンは2015年、フィルムルームを超えて勉強した。


彼は一度ペイトンに言った。

「試合の後に若いQBがベテランQB に握手しに行くの?どうすればいい?何が正しいの?」

コリーンは語った。

「そしてペイトンは言ったの"トレバー、僕が言いたいのは試合に勝った時、君は他のQB が自分に向かって来るのを待っているのかい?君が負けた時、君は他のQBに向かうだろう。 "


プレシーズンの間、マニングはユニフォームを全部着て、ヘルメットを持ってサイドラインに立っていた。彼はリポーターの質問を受けた。

「なぜ試合に出ない時でもあなたはユニフォームを着ているのですか?」

シーミアンは近くに立っていてそれを聞いていた。マニングは答えた。

「なぜなら、僕はフィールドに立っている選手たちをとても尊敬しているからだ。」


   スターターになった今、シーミアンはブロンコスの施設に朝の6 15分あたりにやってくる。そして毎日のスクリプトに従い、マニングのような辛いルーティーンをこなす。試合の日も、彼はいくつかマニングのようなやり方を採用している。


   DAL戦の1Q、シーミアンはプレイアクションからエンドゾーンの奥にいる WRエマニュエル・サンダースへ針の穴を通すようなパスを決めた。

「あれは正しい位置に投げ込んだとても大きなパスだった。」

HCバンス・ジョセフは言った。

「あれをやるのは難しい。」


   2Qにはシーミアンは3rd&9での DALのカバーのミスマッチを認識していて、内側にカットバックしてDAL SSジェフ・ヒースを置き去りにしたRB C.J.アンダーソンを見つけた。アンダーソンはパスをキャッチして、エンドゾーンに駆け込んだ。

「僕たちは彼らがレッドゾーン(自陣20ヤード以内)でマンカバーをするのは知っていた。トレバーは僕にバックフィールドを出てから小さくダブルムーブするパスコースをくれた。」

アンダーソンは言った。

「神様ありがとう。何回もあのルートを練習させてくれて。」


それから3Qでシーミアンは3rd&6 のコールを変えた。

「オマハ!」

と叫び、彼はアンダーソンにボールを渡した。アンダーソンはRG側から中央にスルスルと上がり、1st ダウンを更新した。

3rd&6でのランへのオーディブルは18 番(ペイトン)がやっていたものだったよ。」

アンダーソンは言った。

「このことを見てもわかるけど、明らかに彼が出来ることがわかる。"へい、それ18 番の時に見たぞ。"、そして彼は僕たちを正しい位置へ導いてくれるんだ。」


(第3章へ続く)