・今回は、昨年のリーディングラッシャーであるEzekiel Elliottを8ヤードに封じたDEN守備のやり方を見ていきます。

・LT Garett Bollesはハイアンクルの捻挫と骨挫傷で数週間outとのこと。ハイアンクルは人によって治り方が違うので復帰時期はまだはっきりしません。無理せず完治してから帰って来て欲しいです。bye明けのWeek6が目処になりそうです。

・Aqib Talibが通算10個目のPick6。これでDeion Sandersを抜いて単独4位になりました。上の3人はRod Woodson, Charles Woodson, Darren Shanperという豪華なメンツ


Elliottの止め方 アライン編
   アラインとは、守備のセットの位置のことを言います。相手の体型や自分たちのカバー状況で決まります。

   今回DENが採用したのは5-2-4でした。普段の3-4守備というよりは、4-3underと呼ばれる体型に近いです。

   正面からはこんな感じです。かなり奥にFSがぽつんといますね。1発TDだけは絶対に阻止する布陣です。DALがランを捨てるまで試合を通してこのアラインを使いました。


How to Stop

1、ギャップを埋める
   ギャップとは、OLとOLの間のことを言います。RBはこのギャップを走ってヤードを稼ぎます。守備側はギャップを埋めて、RBが走る場所を潰そうとします。
  CとOGの間をAギャップ、OGとOTの間をBギャップ、OTとTEの間をCギャップとそれぞれ呼びます。
   DENはこのうち、両方のAとBを3人のDLで塞ぐことを意識していました。


2、コンテイン
   コンテインとは、ボールキャリアーを内側に追い込むためにブロッカーの外側から顔を出す人のことを言います。これをすることで、守備側は人数の多い中央にキャリアーを追い込んで止めます。
   今回はスクリメイジにセットした2人のOLBがこの役割を担いました。彼らがOTやTEの外側からElliottを見ることで、Elliottは外を走ることが出来ませんでした。

3、押し負けないこと
   これが1番大事なのですが、リーグ屈指のDALのOLを相手に押し負けなかったことです。特にNT Pekoはオールプロにも選ばれたC Fredrick、RG Martinのダブルチームで押されませんでした。やはり、ランはCが押し込めないと出ません。なので、Pekoの存在がかなり大きかったです。



詳細補足
   画像を使ってまとめていきたいと思います。
   
   黒い矢印がランの方向。赤い線がDLとOLBが顔を出す方向です。
   

   上の写真を図にしたものです。赤線が守備側の選手が守るギャップになっています。選手1人で1つのギャップを担当するワンギャップ守備(one gap Defense)と呼ばれるものですね。
   これによって、OLとの1対1に負けなければギャップを埋めることが出来ます。そして、コンテインによって外に逃げることも出来ず、Elliottは袋小路に追い込まれてしまいました。守備側は待っていればElliottが網にかかる状態ですね。


鍵を握る選手
   
NT
   唯一ダブルチームを受ける選手で、この戦術のキーマンです。ここが押されたら破綻します。

OLB
   コンテインが破壊されたら終わりです。


欠点と対応策
   欠点としては、パスカバーが薄くなります。WR3+TE1人をDB4人+LBで見なくてはいけません。FSを1枚置くことを考えると、必然的にマンツーマンになります、DALにはDez BryantとJason Wittenがいます。ランを止めてもパスにやられる可能性が付きまといます。
  対応策としては、
1、プルアウトなどでブロッカーの枚数を増やす
2、sweepなどの外のランを使う
3、トラップブロックなどでコンテインを破壊する。
4、パスでマウントを取り、相手のアラインを変更させる
  これらが考えられます。DENは11人の能力が高かったので、DALはジリ貧でしたね

   いかがだったでしょうか?わからない部分や疑問がありましたら質問してください。
   この方法は確かに強いですが、1試合続けるにはDLの負担が大きいのですし、この戦術を取れるチームはそう多くないと思いますので、Elliottが止まるとは思いません。昨年ほどではないでしょうが、今年も活躍するでしょう。